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失恋の傷/恋愛心理

2024年12月5日

失恋の傷

時間が経てば、この痛みもいつかは薄れると、頭では分かっていましたが、
その時の私には未来なんて見えませんでした。
ただ一日一日をやり過ごすのが精一杯で、朝が来ても夜が来ても、
すべてが同じに感じられ、世界から色が消えてしまったかのようでした。
何をしても心が晴れることはなく、空っぽの自分がそこにいるだけで、
日々が虚しく過ぎていく感覚に陥りました。
大切な人を失うということが、こんなにも深い悲しみと孤独をもたらすとは
思ってもいませんでした。

友達に会っても、いつも通りの笑顔ができなくなり、自分が違う世界に
取り残されたような感覚に苦しみました。
それでも、前に進まなくてはいけない現実があって、心が泣き疲れていても、
どうにかそれを受け入れるしかありませんでした。
どんなに辛くても、誰もこの痛みを代わってはくれない。
それに気づいた時、私は初めて本当に一人になった気がしました。
失ったものが大きすぎて、もう元の自分には戻れないのではないかという
恐怖さえ感じました。

それでも、生きていかなければならない現実がそこにあって、
涙を拭きながら一歩ずつ前に進むしかないのです。

失恋は、ただの別れではなく、心に深い傷を刻むもの。
その傷は消えないけれど、その傷と一緒に生きていくことで、
人はきっと強くなれるんだと信じて。

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Posted by masaki