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裏切りの刃/恋愛心理

2024年12月5日

裏切りの刃

彼との日々は、まるで絵に描いたような幸せだった。
彼の言葉は魔法のように甘く、笑顔は太陽のように私を照らした。
私は彼を信じ切っていた。
彼のすべてが私の世界の中心だった。
だけど、その世界は一瞬で崩れ去った。

あの日、何気なく手に取った彼のスマートフォンで、私は真実を知った。
そこに映し出されたのは、彼が別の女性に送った熱い言葉の数々。
そして、ふたりで映る写真。
心臓が締め付けられるような感覚に襲われ、手が震えた。
裏切りの刃が胸を深く貫き、息をするのも苦しいほどだった。

彼に問い詰めると、最初は否定し、次第に逆ギレし、最後には
「君も完璧じゃないだろう」と投げやりに言った。
その冷たい目、投げ捨てるような態度。
それが愛していた彼の本当の姿だという現実に、涙が止まらなかった。
愛していたはずの彼が、知らない男に見えた瞬間だった。

「私の何が足りなかったの?」と声を震わせて聞いた。
だけど、彼は沈黙し、背を向けて去っていった。
残されたのは、崩壊した夢と、冷たい空気だけ。

それでも私は決めた。
泣き続けるだけでは終わらないと。
この痛みを力に変えて、私はもっと強くなる。
裏切りは私を砕こうとしたけれど、その破片で新しい私を作り上げてみせる。
愛されるのを待つのではなく、自分自身を愛して生きると決めたから。

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Posted by masaki